ラン藻への対処方法|水草レイアウト水槽リースのOne Leaf

水草水槽・観賞用えび ブログ

ラン藻への対処方法

水草水槽・えびetcブログ  2015年5月14日

今日も全国的に暑いですね。

 

埼玉県深谷市の気温は最大で30℃にまで上昇したそうです。

 

私のえび専用部屋は屋外のプレハブなのですが、断熱材など気の利いたものは入っていませんので外気温の影響をモロに受けております。

 

クーラーを断続的に点けなければならない程に暑い日が続いている訳では無いので、この時期の暑さへの対処に困っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

私なりの対処方法は、扇風機を回して昼間の照明点灯を夜間の照明点灯に切り替えて水温を上げないようにしていることです。

 

これにより日中に点灯しているときに比べ、概ね1℃~2℃は水温が下がります。

 

どうしても日中に照明を点灯されたい場合は、日が沈む夕方頃から点灯されるとリスクが少ないかと思います。

 

 

 

 

さて、以前何処かの記事に少し触れたラン藻ですが、詳しく述べていなかったのでここに載せたいと思います。

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ラン藻」とググると、アクアリウムをやられている方々や研究資料にしている大学の方々などが発生機序を解りやすくご説明されています。

 

詳しく知りたい方は、そちらで概要をご確認いただければと思います。

 

水草水槽をやる限りラン藻とは切っても切れない腐れ縁であるものと割り切っており、私の記事では水草水槽における実践的な対処方法に重点を置いて色々と述べたいと思います。

 

 

まず何故、水草水槽をやる限り切っても切れない縁かと申しますと以下の通りです。

低床を厚く盛る行為

ソイル・砂の通水性

ラン藻=光合成細菌

アルカリ性

大まかにこれら4項目がラン藻と水草水槽との密接なキーワードになります。

 

については、水草水槽では前後の高低差を設け遠近感を強調することがありますね。

 

については、に加えて自然な雰囲気を演出する為に粒が細かな化粧砂を用いたりしますね。

 

 

もうこの時点で既にラン藻発生のリスクが高くなっております。

 

 

ラン藻は嫌気環境でその真価を発揮しますので、彼らにとって住み心地の良い環境になってしまうのです。

 

については、に加えてラン藻は光合成細菌であることが厄介さに拍車を掛け、水草にCo2を与えて成長させているのに彼らも一緒になって成長してしまうのです。

 

については、石組みレイアウトを用いることによる硬度の上昇=PHの上昇(※厳密には硬度の上昇=PHの上昇ではありません。しかし水草を育成する為の栄養ソイルを用いた場合によりPHは硬度に依存します。)

 

更に、月日が経過するとソイルの持つ弱酸性・軟水効果が途切れ、ソイルによる水質調整が出来なくなります。

 

加えて粒も潰れてくるので嫌気環境も起こり易くなります。

 

 

以上のことから、水草水槽はラン藻水槽と化してしまう危険を孕んでいるのです。

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お客さまの所に発生し何時間も細いチューブで吸い出し、格闘したこと。

 

あれほど時間を掛け苦労して取り除いたのに、次の日には元通り元気いっぱいに復活してくれていたこと。

 

思い起こせば出会った当初は憎くて仕方が無かったです。

 

ですが、これまで色々と調べていくうちに憎しみのほか、少し異なる感情を持ちました。

 

憎いからこそ愛しいのか。

愛しいからこそ憎いのか。

 

愛憎とまではいきませんが、ラン藻が発生するとイラっとする反面、ちょっと可愛く見えたりします。

 

とにかく、予防を心がけていれば畏怖するような細菌ではありません。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、水草水槽におけるラン藻への対処方法のご紹介です。

以下の薬品等を用いる際は、事前にチューブでラン藻を出来る限り吸い出し、近くに生き物がいる場合は避難させてから実施しましょう。また、発生を100%抑えることは確約出来ませんので参考程度にして、環境の見直しに注力してください。

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ホームセンターで安価に入手出来ること、予防と発生後の対処においても効果が高いことからメインで使用しているのは木酢液です。

 

木酢液の効果は、農業において土壌改善/通水性の拡大/好気性バクテリアの増殖/PHを低下させる、と云われている優れものです。

 

土壌環境は陸上も水中もあまり変わらない筈ですから、私はアクアリウムにも応用しています。

 

これを100円均一等で売られている女性用化粧品に使う注射器みたいな物に吸わせて目的の低床に原液のまま注入しています。

 

 

次はオキシドールです。

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表面に発生したラン藻に向けてそっと吹き掛けるようにします。

 

光合性の阻害が主目的となりますが、木酢液のように予防として低床に入れてはいけません。

 

低床に入れるとソイルが砕けて泥みたいになってしまうと同時に、ソイル下のラン藻も飛び散ってしまいますので使い方に気をつけましょう。

 

使用するときは感覚でやっておりますので、使用量は各個人でご確認ください。

 

 

その他、ラン藻専用の薬品としてエクスタミンやアンチグリーンがあります。

 

心配な方はこちらを使用される方が良いかもしれませんね。

 

魚病薬として細菌感染症治療にグリーンFゴールド等の薬品がありますが、細菌であるラン藻にも効果があります。

 

しかし、同時にラン藻以外のバクテリア・水草への影響が経験上最もあるので、私は殆ど使用しません。

 

 

 

以上のことから、ラン藻対策には木酢液を使用しています。

 

彼らが嫌がる環境(云い換えれば水草水槽にとって良い環境)を作ってくれるので、寧ろ木酢液1本あれば事足りると考えています。

 

しかし、対処したとしてもラン藻が発生する環境は再度発生するリスクを孕んでいるので、酷い場合は根本的な環境の見直しを、軽微な場合は日々のメンテナンスによる予防が大切です。

 

 

 

長くなってしまい恐縮ですが、ラン藻については一度しっかり記事にまとめておこうと思ったのです。

 

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